院長の部屋 7号 アロマセラピー学会参加記
今年も早いもので残すところわずかとなりました。平成18年は皆さんにとってどんな一年だったでしょうか。
さて先日、埼玉大宮で開催された日本アロマセラピー学会総会に参加してきました。
会頭講演として森林浴の効能についての講演を聴きました。森林浴の前後で血液を採取してある成分を分析してみると、セカセカしてストレスの多い人は森林浴後に落ち着きと安らぎを取り戻し、普段のんびりして活動的でない人は森林浴後には元気ではつらつとしてくる傾向のあることが医学的解析の結果わかったそうです。
草木の発するフィトンチッド、虫や動物や水や風の音、体を動かすこと、目にする自然の色と形 などが森林浴によって我々人間を健康に導いてくれるようです。自然の中を歩くことが健康にとても大切なことなのだとあらためて感じてきました。自分を振り返り、最近歩いてないなーと反省しています。
次にC.W.ニコルさんの講演も聴いてきました。ニコルさんは日本国籍を取り長野黒姫の荒れた森を自費で買い、森の再生をしています。そして自然を守る様々な活動をしながら最近は虐待で傷ついた子供達を森での活動で癒すことをはじめています。
ニコルさんはイギリスの中の少数民族であるウェールズ人で、子供の頃は学校で多数を占めるイングランド人にかなりのいじめに遭っていたそうです。ただ、日本の子供達が いじめに遭うと自殺する風潮である昨今と違い、ウェールズ人はいじめられたら自分が死ぬのではなく、いじめた相手を殺そうと考えるのだそうです。そして強くなろうと思い柔道をはじめたことがきっかけで日本に強い憧れをいだき、日本との縁ができたそうです。自然を守り、その自然の中で生活することのすばらしさを説いておられました。
もう一人、「料理の鉄人」の解説者として有名な服部幸應さんの講演も聴いてきました。2 年前にも服部さんの講演を聞き「食育」という言葉を身近に感じはじめていましたが、今年制定された「食育基本法」の草案作りの委員も勤めていらしたとのことで、日本の「食」に関することでは硬軟共に第一人者といえる方です。「食育基本法」ができたこと自体、今の日本が「食」に関して危機的状況になっていることのあ らわれなのだそうです。箸を正しく握れない(ドキッ!)、インスタント食品の多用 (ややドキッ!)、食べ残しをする(これもドキッ!)。家族がそろって会話をしながらテレビを見ずに食事を取ることが多くの大切なことを得るチャンスなのに、それができにくくなっていることが青少年の中で様々な問題を起こしている元凶になって いるということなど、ためになるお話しを多く聴くことができました。
懇親会で服部さんに直接「水」に関する質問をしてきました。毎日どんな「水」を飲んでいるか、ということがとても重要だとお聴きしましたが、何より面と向かって服部さんとお話しできたことがこの学会の大きな思い出になりました。「食」って生活の基本で、多 くの病も「食」に関連し、あらためて見つめ直さないといけないなーと思って帰ってきました。
当院は開院して6年目に入り、ようやく地元の皆様にも認知され、また当院のスタイ ルも形として落ち着いてまいりました。まだまだ至らぬ点も多いかと思いますが、お 感じのことがございましたらどうぞお気軽に院長・スタッフまでお申し出下さい。
平成18年12月1日 院 長