院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 20号 花粉症を考える

次第に暖かくなってまいりました。皆様には、いかがお過ごしでしょうか。先月、こ の場でお話しさせていただきましたが、今冬はしもやけと湯たんぽによる低温熱傷で 来院される患者さんが例年と比べてかなり多かったように思います。それだけ寒かったのでしょうか。そして、しもやけの患者さんも自然治癒する時期になってきました が、同時にスギ花粉症の方にはつらい季節になってきました。

現在、日本人の五人に一人が花粉症に罹患しているとデータがあります。奥野修司さ んが書かれた「花粉症は環境問題である」(文春新書)にはご自身が花粉症と闘いさ まざまな治療や予防や民間療法を試した経験から、花粉症についてさまざまな角度か らデータ収集と取材をされており、花粉症がこれだけ問題視されている現在の実情を 詳しく書かれています。

その中で、花粉症の治療と予防対策に著者の家族が年間で22万9950円出費したこと、 スギ花粉症の元凶のスギは林野庁が森林法によって国策として戦後にスギやヒノキ、 クロマツ、アカマツを植える指導をし続けたことがもとになっており、これは政府の過失であり、同時に社会問題になってからは、花粉症になることを承知で植えさせた 確信犯だということ、そして現在そのスギを減らすために伐採しようにも樹齢40年のスギを伐りだしても1本3900円にしかならず、人件費と輸送費が2300円かかり初期投資を考えると二束三文となってしまうことなど、具体的にスギ花粉症の背後にある様々な問題を提起されています。

スギ花粉症に関して話題になるのは、花粉がいつどれくらい飛散するかということ と、治療のことがクローズアップされていますが、私見としては(1)原因であるスギ 花粉を減らせるようスギを減らしたり、花粉の少ないスギの開発(2)花粉症にかかり にくい体づくり(3)体に優しくて効果の高い、そして費用の安い治療の開発の3つが重要だと思いますが、この中で私たち個人にできるのは(2)の花粉症にかかりにくい体にすることくらいですが、それもそう簡単ではないのが現状です。ともあれ、スギ花粉症の方にはつらいこの季節ですが、今シーズンをなんとか乗り切りましょう。

さて、話変わって先月、統合医療に関するセミナーに参加してきました。この会に は先月この場でご紹介した「健康問答」の著者の一人である帯津良一先生が講師の一人としてご講演されました。

 いろいろとお話されましたが、病院・医院の「場の気」についての重要性を強調さ れていました。具体的に、病院・医院の「場の気」とは、病院の入り口から待合室に 入った時やスタッフ・医師と話していてなんとなく病気が治りそうか、ますます病気が悪くなりそうか、「そこの病院に流れている空気、雰囲気」のことで、医師やス タッフの言葉や雰囲気でますます自分の病気が悪くなってしまうことがしばしばある ことを話されていました。

「この医院に行くとそれだけで病気が治ったような気になる」というのはエビデンス重視の西洋現代医学ではなかなか認められないかもしれませんが、実際にそういうことってあり得ますよね。当院を振りかって、医院に「良い・高い場の気」が流れるよ うに私はじめスタッフ一同努力してゆきたいと思います。

平成20年3月10日   院  長

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