院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 28号 風のガーデンから

今年も残すところあとわずかとなりました。最近、国内でも海外でも経済不況に端を発して様々な暗いニュースが飛び交っています。特に自動車産業で多くの方々が生活を支えられている愛知県内においては、これまで元気が良かっただけに少々とまどいを隠せませんが、真っ暗な闇夜もいつか明けますし、長いトンネルもいつかは抜け出せるものです。あれだけ高値になったガソリンだって最近ではじわじわと安くなって、かつての水準まで戻ってきたことですし、なんとか、早く不況のトンネルを抜け出し、明るいニュースの中で日々を過ごせたらと願っています。

さてフジテレビ系のドラマ「風のガーデン」をご存知でしょうか。テレビのドラマはあまり見ない私ですが、このドラマは10月にお亡くなりになった緒形拳さんが出演した最後のドラマということ、私がこの場で8月に書いたエッセーで取り上げた、脚本家の倉本聰の渾身の作であること、医療を題材にしていること、花をサブテーマに取り上げ美しい花々の映像が随所で出てくることなどから、木曜日の夜10時になるとテレビにひきつけられるようになっていました。

ドラマ「風のガーデン」は、中井貴一が演ずる麻酔科医の白鳥貞美が末期のすい臓癌に冒され、死を目前にして絶縁していた家族のもとへ戻っていく姿を通して、生きること・死ぬこと、そして、3世代の家族の再生を描いた人間ドラマです。貞美の父親役で緒形拳が演ずる白鳥貞三は在宅で終末医療を専門とする医師。私は主役の中井より、緒形拳が発する数々の言葉にじわーっと感動することが多々ありました。「今の医学は、病気はよく診ますが、人間を見ているとは思えません。」「三沢のおじいちゃんが、間もなくあっちに召されて行きます。天使はお迎えにみえたんじゃないかと・・ そのように私は解釈しています。」など、やさしく語る緒形拳の姿に、在宅医療の一つの理想的な形をこのドラマの中に見ることができました。病をおしてこのドラマに自分の持つ力を振り絞って演じきった緒形拳はこのドラマのクランクアップの数日後に天に召されてゆかれます。毎回とても感慨深くこのドラマを見ています。

脚本家の倉本聰が「風のガーデン」のガイドブックで「それが健康のためだからと、好きなことを一切やらずに、ただ健康になって何もしないで生き長らえていても、あまり意味のあることだとは思わない。」と書いています。健康のためだからといってあれもダメ、これもダメなんて人生楽しくないですよね。他人に迷惑をかけず、自分の不摂生によって医療費を浪費しないのであれば、度を越えない限り好きなことをして好きなものを食べていてよいのではと、倉本聰と同じことを考えている昨今です。ちょっと医師からぬ発言になってしまいましたが。

「風のガーデン」の中に、おじいちゃん(貞三)の作った花言葉が孫の岳君が語るという設定で随所に出てきます。「去年の恋の名残の涙」「小学生の淡い初恋」「生まれたばかりの孫の耳たぶ」「孫娘を嫁に出す日」「妖精たちの新盆の迎え火」「死んだおばあちゃんの形見の針山」「今年の冬に降る筈の雪」「女の盛りは40過ぎからよッ」「どうせアタイは田舎もの、町の女にゃなれないの」「行きおくれ女の危ない色気」などなど365種類の花言葉を倉本聰がお酒を飲みながら遊び感覚で考えたそうです。味のある言葉の数々。言葉の持つ力ってとても大きいなーと再認識しました。あと少しで「風のガーデン」も最終回を迎えます。

平成20年12月12日 院 長

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