院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 30号 あいさつを考える

そろそろ新年の気分も次第にぬけて、日常のペースが戻ってきた頃でしょうか。皆さ んは今年どんな年にしたいなーとお思いですか。

さて、以前からあいさつの大切さを強く感じていたのですが、最近どうも気になることがあるのです。乳幼児の集団予防接種に輪番で担当がまわってきます。その際、お 子さんを連れてくるお母さんが私どもにまったく言葉を発せずに接種を受け、そしてまた挨拶せずに去ってゆくことがしばしばあって、なんとなく不愉快な思いを感じて帰路につくことが多いのです。そこで昨年末に保健センターで接種担当の時、密かに統計をとってみました。1時間で44人のお子さんに接種をしました。接種前に「お願いします」などの挨拶を私に聞こえるように私に向かって言えた方26名(59%)、接種後「ありがとうございました」などの挨拶を言えた方19名(43%)。接種後はお子さんが泣いたり、ぐずったりしますから医師や看護師に対して礼など言っている暇が ないのかもしれませんが、以上の結果にはちょっと寂しい思いがしました。

礼を言ってほしくて医師は医療に従事しているわけではありませんが、患者さんが医師のひとことで安心したり不安に陥ったりするのと同様に、医師も患者さんからのひとことで医師としてのやりがいやモチベーションを維持しているのです。このようなコミュニケーションが希薄になってきているがために患者さんも医療不信に陥るし、医師も次々と消えていってしまいます。私たち医師も良好なコミュニケーションをとれるような努力が必要ですし、医療を受けられる方々にも努力が必要なのではないかということが以上の結果から示されています。

あいさつに関して最近読んだ2冊の本の中から紹介します。

人と人との関係は「あの人は挨拶もしてくれない」「にこっともしない」・・・ということから、ギクシャクが始まるようだ。(中略)挨拶というのは、「あなたは大切な人」という思いを伝える行為である。知らないふりをする、無視するというのは、「私にとってあなたは何の価値もありませんよ」と伝えているようなものだ。だ から、「人と人」には、挨拶が何よりも大切ということになる。意地悪をする一番いい方法は、無視である。それがエスカレートして村八分のいじめに発展するのは、「挨拶がない」ことから始まるといっていい。

(あなたに会うと元気になるといわれる人の共通点 齋藤茂太著)

おれは玉の井のお姐さんからこう教えられた。「いいかい、人さまに何かしてもらったら四回お礼を言うんだよ」(中略)何かしてもらってお礼のひとつも言えないようじゃ、自分が損するんだよ。「もう、あいつは誘わない、奢りたくない」ってことになって、一人去り、二人去り、気がついたらまわりに誰もいなくなっちまったってことになるんだ。(中略)昔の親は、学問はなくても、人間として当たり前にしなきぁいけないことは、教えたもんなんだ。今の親は教えねぇもんな。親からしてできねぇんだから教えようがないってのが、ほんとのところだけどな。「ありがとうございました」「ごちそうさまでした」を四回も言ってみなよ。こんなご時世だから、相手は感動だよ。「あいつ、次もまた誘ってやろう」ってことに必ずなる。そうやって、情が通ったつきあいが深まっていくんだよ。

(人生は勉強より「世渡り力」だ 岡野雅行著)

お礼を含めた挨拶がいかに大切か、自省の念をこめて考えている年の初めです。

平成21年1月16日 院 長

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