院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 33号 皮膚科学会総会2009

汗ばむ陽気が続く毎日となってきました。ゴールデンウィークも過ぎ、日常の生活が戻ってきた頃かと思いますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

さて日本皮膚科学会総会・学術大会が4月下旬に福岡で開催され、参加してきました。

今回は皮膚科学会総会でしばしば話題にされる、最近の皮膚科のトピックスについてお話ししましょう。

(1) にきび治療:
約10年前から顔に薬品を塗ってニキビを治療するケミカルピーリングという施術が美容皮膚科を中心に普及してきましたが、昨年の秋から「ディフェリン」というピーリング作用のある塗り薬が我が国でようやく処方できるようになりました。この塗り薬によって国内における標準的はニキビ治療が大きく変化することになりました。

(2)ナローバンドUVB:
これは紫外線治療の一つで、白なまず(尋常性白斑)、尋常性乾癬、円形脱毛症など様々な皮膚病の治療として、これまでの紫外線治療の一歩上をゆく期待の治療方法です。私の尊敬する兄貴分で、現在名古屋市立大学皮膚科教授の森田明理先生が日本国内に向けてこの装置を開発導入されました。当院もこの装置を使った治療は国内でも一番初めから行っています。

(3)ダーモスコピー:
直接皮膚の病変部に近付けて拡大して見る装置で、ルーペ(虫メガネ)より大きくはっきりと、また皮膚の表面から少し下の部分を透かしてみることができる装置です。約15年前から発売されており、ここ10年の間にダーモスコピーを使った皮膚病の診断方法が専門家によってほぼ確立されました。私もその走りの頃から使っていましたが開業してからもダーモスコピーにより、診断や治療効果判定にとても役立っています。

(4)疥癬治療:
疥癬はヒゼンダニが体に寄生してとても強いかゆみを生じる皮膚病です。人から人へ伝染するので、その治療にはとても気を使うのですが、国内では保険で認可された特効薬がこれまでありませんでした。糞線虫という寄生虫に用いられていたストロメクトールという薬が疥癬にも効果があるということで皮膚科の専門家が厚生労働省に働きかけをして、この薬を疥癬に用いることができるようになりました。この薬のおかげで疥癬の治療がグッと進歩しました。

(5)褥瘡:
平成10年に日本褥瘡学会という組織ができてから褥瘡(床擦れ)の関する治療や介護の仕方、理想的な寝具などが医学的に詳しく研究されてきました。これまで使われてきた円座は褥瘡には不適であることや、これまでしばしば行なわれてきた骨突起部に対するマッサージは一般的には行わないほうがよいことなど、褥瘡に関する正しい知識がはっきりと打ち出されてきました。

(6)美容皮膚科:
皮膚科学会の商業展示ブースに行くとシワ、シミ、脱毛を中心に美容関連のレーザーを中心とした治療器具や化粧品がこれでもかと溢れかえっています。あまりにめまぐるしい進歩のため、一般皮膚科診療の片手間に美容皮膚科を担当できるようなレベルを超えてきているため、この分野は美容皮膚科を専門にされている医院におまかせしようというのが私のスタンスです。化粧品は化粧ばっちりのキレイな女医さんに紹介されたほうが信憑性もありますし。

以上が最近の皮膚科学会でのトピックスです。田舎の開業医ではありますが、常に最新の知識と治療を取り入れる努力をこれからもしてまいりますので、皮膚に関することはどうぞお気軽に何でもご相談下さい。

 

平成21年5月15日 院 長

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