院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 40号 枕と瞼と栄養

2010年も始動し、皆様、いかがお過ごしですか。そろそろ生活も日常にもどり、落ち着いてきたころでしょうか。「コンクリートから人へ」、民主党が掲げるスローガンが許される負担の中で少しずつでも前進することを祈りつつ、弱者に優しい社会になることを期待したいと思います。

さて、皆さんの中に頭痛、肩こり、腰痛、うつ気分などで病医院を受診したけど、原因がはっきりせず、鎮痛剤や安定剤を処方されたものの、ますます調子を崩したという方はいませんか。実はそれらの原因が「枕の不適合」、「腱膜性眼瞼下垂」、「栄養欠損」によることがあるというお話をします。

(1)枕の話。
「枕革命 ひと晩で体が変わる  頭痛・肩こり・腰痛・うつが治る  山田朱織 講談社+α文庫」によると、山田先生は整形外科医として多くの患者さんと接し、治療を行う過程で、肩こりや頭痛、手のしびれ、不眠、いびき、無呼吸といった諸症状を引き起こす大きな原因が“枕”にあることを確信するようになったそうです。

そして理想的な枕を考案することに至るわけですが、それには絶対条件が3つ。

  1. 体格にジャストフィットする高さ。
  2. 浮き沈みのない「フラット構造」、つまり「適度な硬さ」と「平らな構造」
  3. 一生ものではなく、適宜調整。

以上を満たすように工夫されたのが幅50センチ以上奥行き30センチ前後、高さはその人の体格によって5~10センチの5mm単位で調整したカマボコ板の形をした整形外科枕です。

この整形外科枕はその人の体形にあったオーダーメードのため神奈川県相模原市の16号整形外科(山田朱織枕研究所)で診察をうけないと注文できません。山田先生はマスコミでも有名になってしまったので、現在整形外科枕のための受診予約は3000人待ちとのこと。(私は幸運にも山田先生の診察を受け、自分用の整形外科枕を入手して、現在その効用を実感しています。)

個人でもある程度の枕を自作できるので、前述の書籍か、山田先生のホームページをご参考にどうぞ。

(2)瞼の話。
信州大学形成外科教授の松尾清先生によると眼瞼下垂の手術を受けた患者さんが肩こり、頭痛、やる気が起きないなどの長年悩まされていた症状から開放されたという多くの声によって、眼瞼下垂と様々な体の不調の関係を研究されました。

その研究によると、瞼を上げる筋肉である上眼瞼挙筋と瞼のふちの瞼板をつなぐ腱膜が45歳くらいまでにはがれてしまい、その後は代償性にミューラー筋という筋肉を使って瞼を開けるそうです。ミューラー筋が働いて瞼を開けるようになると、固有知覚が出て脳幹にある青斑核という部位が刺激され、それによって交感神経が働き、体全体まで強い緊張状態に置かれ、その結果として頭痛・肩こり・うつ症状などがでてきます。

頭痛の75%を占めるといわれる緊張型頭痛はこの腱膜性眼瞼下垂が原因になっていることが多いとのこと。

詳しくは「まぶたで健康革命 下がりまぶたを治すと体の不調、疲労、頭痛、肩こり、うつ気分etc.が良くなる!? 松尾清 小学館」をご参考下さい。

(3)栄養の話。
以前にもこの場で少し話題にしましたが、最近の乱れた食生活によって、必要とされる栄養素の不足が生じ、それによってうつ病・統合失調症・パニック障害などの心の病やアトピー、リュウマチなどの一部が発症したり悪化していると「診たて違いの心の病 実は栄養欠損だった! 溝口徹  第三文明社」の中で溝口先生は説明しています。

この分子整合栄養医学という分野はアメリカで進んでいてサプリメントの話になってゆくのですが、足りない栄養素をサプリメントで補充する前に日常生活において正しい食生活を知ることが何より大切だと私は感じています。

以上のように、多くの方が悩む頭痛・肩こり・うつ症状などに枕の不適合や腱膜性眼瞼下垂や栄養欠損などの関連が取り上げられています。根拠のない怪しい医療も多々ありますが、医師としてこれらはチョッと興味深い内容でしたので今回皆さんにご紹介しました。

 

平成22年1月14日 院 長

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