院長の部屋 66号 あっぱれ海陽生!!
季節は巡り桜咲く季節、新しい生活が始まった方も多いことと思います。皆さんはどんな春をお迎えでしょうか。辛かったスギ花粉症もあと少しです。なんとか乗り切りましょう。そして3月から5月までのこの時期は芽吹きの季節、花粉、紫外線、黄砂、汗、寒暖の差、自律神経の乱れ・・・眠っていた皮膚病も目を覚まし、落ち着いていたアトピー性皮膚炎が急に悪くなる季節でもあります。早い対応で皮膚病をこじらせないようにしましょうね。
この春、地元の海陽学園(海陽中等教育学校)の第一期生が卒業しました。6年前、小学校を卒業したばかりのあどけなく可愛らしい少年達が、フロアーマスターと呼ばれる寮生活のお世話・相談役として企業から派遣されたお兄さんたちに付き添われて、様々な皮膚疾患で当院を受診されはじめました。心細そうに診察室に入ってくる生徒達。ほんの少し前まで中学入試に追われ、家族に大事に育てられちょっと頼りなくひ弱そうな子供達がいきなりの全寮生活。「早く生活に慣れて、勉強も運動も頑張れ!」と心の中で声をかけながら、生徒達にできるだけ安心感を与えようと、こちらもアットホームに診察します。そして時折、病気のこと以外に雑談を交えて彼らの心を和ませようとしてきました。私にも同じ世代の子供がいるので、とても親近感を感じて接してきました。
生徒の病状や治療法、次の受診のことなどをフロアーマスターが真剣にメモして、あれこれ確認をとって診察が終わる。そんな、いつもの診療風景。4年生(高校1年生)になると、フロアーマスターの付き添いなしで、自分一人で自転車に乗って当院に訪れます。学園外に外出できることで開放感もあるのでしょうか、リラックスした感じが漂います。さすが、親元離れて3年以上が過ぎ、体もみるみる大きくなって少年達が逞しく成長してゆく、その様が手に取るように伝わってきます。
そしてあれから6年。第一期生101名卒業。東京大学13名、国公立大学44名(内 医歯学部11名)、私立大学130人(内 医歯学部10名)、海外大学8人 合格。あっぱれ、海陽生! 第一期生ということで様々な重圧の中、みんなよく頑張ったね。世間では海陽学園のことを、いろいろ言われたり書かれたりしているけれど、気にしない、気にしない。君たちは本当に頑張ったんだよ。そして卒業おめでとう。ここまで応援してくれた親御さん、先生、フロアーマスターのお兄さん、食事担当の方など多くの方への感謝を忘れないで巣立って行ってください。時にはラグーナの観覧車と三河湾を望みながら過ごした蒲郡での6年間の日々を思い出してね。さあ、これから始まる次のステップ、日本のリーダー目指してレッツゴー。これからも陰ながらずっとずっと君達を応援してゆくからね。
海陽学園に一番近い皮膚科医院の院長より
さあ、春が来ました。新しい生活、新しい出会い、何かいいことあると良いですね。
そして一歩前へ進みましょうか!!