院長の部屋 80号 心ふるえる瞬間
暑くなってまいりました。7月、8月は皮膚科クリニックにとって一年で一番患者さんが多くなる季節で、今年も例年通り、あせも、水虫、虫刺され、水虫、とびひ、水いぼ、日焼けなど夏に多発する皮膚病の患者さん方で待合室は混雑する日々が続いています。待ち時間が長くなることも多いかと思いますが、皆様に快適に受診していただけますよう様々な努力をしておりますので、なにとぞご理解のほどお願い申し上げます。
さて、最近読んだ本「伝え方が9割」という著書の中に心ふるえる文章が載っていました。今回は是非この文章を皆様にお伝えしたく、長い文章ですがご紹介させていただきます。
この時代に生きる 私たちの矛盾
高速道路は広くなったが 視野は狭くなり
お金は使ってはいるが 得るものは少なく
たくさん物を買っているが 楽しみは少なくなっている
家は大きくなったが 家庭は小さくなり より便利になったが 時間は前よりもない
たくさんの学位を持っても センスはなく 知識は増えたが 決断することは少ない
専門家は大勢いるが 問題は増えている
薬も増えたが 健康状態は悪くなっている
飲み過ぎ吸い過ぎ浪費し 笑うことは少なく 猛スピードで運転し すぐ怒り
夜更かしをしすぎて 起きたときは疲れすぎている
読むことは稀で テレビはよく見るが 祈ることはとても稀である
持ち物は増えているが 自分の価値は下がっている
喋りすぎるが 愛することは稀であるどころか憎むことが多すぎる
生計のたてかたは学んだが 人生を学んでいない
長生きするようになったが 長らく今を生きていない
月まで行き来できるのに 近所同士の争いは絶えない
中略
情報を手に入れ 多くのコンピューターを用意しているのに コミュニケーションはどんどん減っている
ファースト・フードで消化は遅く 体は大きいが 人格は小さく 利益に没頭し 人間関係は軽薄になっている
世界平和の時代と言われるのに 家族の争いはたえず
レジャーは増えても 楽しみは少なく
たくさんの食べ物に恵まれても 栄養は少ない
夫婦でかせいでも 離婚は増え
家は良くなったが 家庭は壊れている
忘れないでほしい 愛するものと過ごす時間を それは永遠には続かないのだ
忘れないでほしい すぐそばにいる人を抱きしめることを
あなたが与えることができる唯一の宝物には 1円もかからない
忘れないでほしい あなたのパートナーや愛する者に「愛している」と言うことを心をこめて
中略
愛し 話し あなたの心の中にあるかけがいのない思いを分かち合おう
人生とはどれだけ呼吸をし続けるかで決まるのではない
どれだけ心のふるえる瞬間があるかだ
ジョージ・カーリン 佐々木圭一 訳
皆さん、いかがでしょう。かなり上級の伝え方のテクニックを使った文章ですが、内容自体が本当に心に沁みこんできて「フムフム」、「なるほど」とうなずいてしまいます。伝えたいことを、感動的な伝え方で、他人に伝えることの大切さを再認識することができました。あなたは自分の想いを、あの人に感動的に伝えられてますか?