院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 97号 風に立つライオン

木々や草花が一斉に芽吹き、そして開花し、春の訪れを日々感じる季節になってまいりました。スギやヒノキの花粉で少々つらい時期ではありますが、冬の寒さで縮こまっていた体をゆっくりと伸ばして、活動の季節にはいりましょう。

さて、さだまさしが1987年に発表した楽曲「風に立つライオン」が2013年に小説化され、そして小説を原作として映画化され、先の3月14日に封切されました。楽曲「風に立つライオン」はアフリカ・ケニアで医療に携わった実在の日本人医師・柴田紘一郎先生をモデルに作られました。日本に残してきた恋人に宛てた手紙を歌にのせ、アフリカでの体験と心情をこめた壮大なスケールな曲です。そしてその曲が東日本大震災と繋がって「希望」と「命」のバトンタッチを主題にして小説化、映画化されました。そして私は早速、映画を観てきました。

楽曲「風に立つライオン」は医師や、アフリカで活躍する青年海外協力隊員、そしてアフリカへ様々な形で赴任している日本人が、それぞれの思いを持って心に留めている名曲です。実は私も自分の人生の岐路で「風に立つライオン」に後押しをしてもらったことがあります。平成2年、母校の皮膚科医局に入局し名古屋で医師としてのスタートを切ったのですが、事情があって平成5年夏、鹿児島大学医学部皮膚科へ移籍しようかどうか迷っていた頃のことです。9月に入り遅い夏休みをもらって、「風に立つライオン」に誘われるようにケニアへ旅行に出かけました。ケニアへ行くまでに私は既に約30か国の国々を旅していましたが、ブラックアフリカの空気はどこか違っていました。なんと表現してよいだろうか、あの感覚。そしてアフリカの広大な大地を眺め、野生動物たちの生きる姿を見て、自分の中にいる「風に立つライオン」の姿をオーバーラップさせながら、一週間ほど色々なことを考えながら、非日常に身を置く時間を過ごしてきました。そしてケニアから帰り、その3か月半後には鹿児島での新しい生活が始まります。20年前のことなのに、つい先日のことのように鮮明に思い出す、私の転機を後押ししてくれた、それが「風に立つライオン」でした。

「空を切り裂いて落下する滝のように僕はよどみない生命を生きたい風に向かって立つライオンでありたい 」というフレーズが歌詞中にあります。悩んだり、迷ったり、先に進めなくなったりした時、今でも時々このフレーズに励まされることがあります。「風に向かって立つライオン」みたいに格好良くはないけれど、私たち誰にでもそれぞれが、このフレーズに近い姿を持っているような気がします。皆さんも是非一度、楽曲「風に立つライオン」の歌詞をじっくりと味わってみて下さい。

4月に入り新しい場所で新しい生活を始めている方も多いことでしょう。当院は平成13年に開業して14年になります。同じところでじっとしていられない私が14年間ずっとここ「海岸通り皮ふ科」にいます。阿久悠の言葉で「何もしなければ道に迷わないけれど、何もしなけれは石になってしまう」という私の好きなフレーズがあります。ずっと同じところで、同じ仕事をして、同じ毎日を過ごして「医師」が「石」にならないように、常に進取の精神を持って今日と違った明日を目指して、「海岸通り皮ふ科」平成27年度をスタートします。

平成27年4月

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