院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 99号 学会参加報告 2015初夏

暑くなってまいりました。そして毛虫皮膚炎、水虫、とびひ、虫刺されなどの患者さんが沢山受診される季節となり、皮膚科医院は一年で一番混雑する時期となります。皆様には長時間お待たせすることもあるかと存じますが、スタッフ一同、スムーズかつ的確に診療が進みますよう精一杯頑張りますので、なにとぞご容赦のほどよろしくお願い申し上げます。

さて5月から学会シーズンに入り、皮膚科学会と東洋医学会(漢方)の一年で一番大きな学会へ参加してまいりました。日本皮膚科学会総会は横浜へ、日本東洋医学会総会は富山へ行ってきました。今回はこの二つの学会で学んできたことから、ほんの少しピックアップしてみたいと思います。

皮膚科学会総会から

★褥瘡診療:褥瘡とは尾てい骨周囲や足のかかとなどの皮膚が赤くなったり、皮膚の一部が壊死してしまう「床ずれ」のことです。1998年に日本褥瘡学会が設立されましたが、その立役者である宮地良樹先生が学会設立から17年が経過し、日本における褥瘡診療が格段にレベルアップし、褥瘡発生率が目に見えて著減したことの歴史を講演されました。褥瘡は塗り薬を塗っていれば治るものではなく、状態に適した外用剤や保護材の選択に加えて、ベッドのマットの質、体位交換の仕方、栄養状態など総合的に検討しなければいけないことをお話されました。開業医となり、褥瘡患者さんを診ることが減りましたが、適切な治療とケアの指導ができるよう学んできました。

★虫の話:皮膚科学会きっての虫博士である夏秋優先生と和田康夫先生の講演を聴講しました。ご両人の講演は今までも数回聞いたことがあるのですが、何度聞いても楽しく役立ちます。虫刺されといっても、とても奥が深くまた時代とともに虫の種類や分布なども変化しています。セアカゴケグモが阪神地域の側溝で繁殖していること、里に下りてきたイノシシやシカがマダニを拡散させていること、様々なハチの話など明日からの診療に役立つ内容を沢山仕入れてきました。

★乳幼児のスキンケア:最近の一番のトピックスである乳児湿疹(乳児のアトピー性皮膚炎)と食物アレルギーの関連について最新情報を確認してきました。乳児期に顔や首周囲の湿疹を治療せずに放置しておくと、食べ物のカスや汁が湿疹の部分の皮膚から吸収されて食物アレルギーになりやすいことが、はっきりとわかってきました。皮膚科診療の最前線にいる皮膚科開業医がその治療と知識啓蒙に果たす役割は重大であることを認識して帰ってきました。

東洋医学会総会から

★鍼灸セミナー 小児鍼(はり):小児の疳の虫や体質改善に対する鍼(ハリ)治療の講演と実技を学んできました。「はり」といっても小児鍼は「はり」を刺すわけではなく、専用の道具で皮膚をピンポイントで押したり、皮膚を擦ったりするもので、痛みは伴いません。ツボや経絡を刺激することで、心を穏やかにさせたり、体質改善させたりするもので、特に関西地方で普及しているそうです。東洋医学を学んでいると漢方薬を飲むことだけでなく、鍼やお灸でツボを刺激したり温めることも病気の治療や体質改善に役立つことをとても実感します。

★実践漢方セミナー:皮膚疾患、精神疾患、小児科疾患について各疾患の専門家の講演を聴講してきました。皮膚疾患のセミナーではアトピー性皮膚炎などの慢性病の治療において漢方治療に加えて、食養生(食べている内容と食べ方、食べる量)がいかに大切であるかを強調する内容で、私が普段の診療で皆さんにお話していること、ズバリそのままを語られていました。

皆様に少しでもよい医療を提供できますよう、常に学び続ける医師でありたいと思っています。

平成27年6月18日 院長

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