あの日のワンショット「(16)インド カルカッタ」
大学4年生が終了した春休みの3週間、インドとネパールを一人で放浪した。この旅は出だしから強烈なものであった。ニューデリーに着いたのが真夜中。空港からインド人に混じって繁華街に向かう人々でごった返すローカルバスに乗り込み、繁華街らしきところで下車するが、既に深夜で、あたりは真っ暗。人力車に乗ったまま眠る車夫や、地面で毛布にくるまって眠る人々を横目に見ながら、バスの中で知り合った日本人青年2人と暗闇の中を宿探しした。もしかしたら、今夜は宿無しかもと思っていたが、なんとか安宿に潜り込むことができた。
人力車で目的地と違う所へ連れて行かれそうになり人力車から飛び降りて逃げたこと、頻繁に声をかけてくる物乞い、インド人に混じって駅のホールの地べたで持参したシーツにくるまって明かした一夜、街角の屋台で食べた絶品のサモサ、あちこちで飲んだ疲れを癒してくれるチャイ(ミルクティー)、1泊200円の安宿で同室になった奇妙な人々達(自分も奇妙な人間と思われていたかも!)と部屋に入ってくる犬。タージマハルや、カジュラホの寺院群、ガンジス川の風景にも感動したが、やはりインドでは人間が一番面白かった。そしてこれまで40カ国まわってきた中で、一番疲れた旅であった。あらゆることに疲れたので、途中で予定外のネパールに1週間、逃げ込むことになった。ネパール編はまたいつか。乞うご期待???