あの日のワンショット「(29) ベトナム カントー」
医師となり3年目の秋、遅い夏休み(秋休みだよねー)をとらせてもらい、一人でベトナムへ旅に出かけた。それほど長期の休みではないし、パックツアーに参加するのも面白みに欠けると思い、ベトナム専門の旅行社に個人向けの旅をアレンジしてもらい、現地ごとにベトナム人のガイドにお世話になりながら、半分フリー、半分おかかえガイドと運転手付きの旅(私だけのためのオプショナルツァーをいくつか選んだ形)となった。ホーチミン、カントー、フエ、ハノイ、ハロン湾とベトナム南部から北部に向かって有名な観光地を10数日かけてまわったのだが、今回の写真はベトナム南部、メコンデルタの中心都市「カントー」という町で撮ったものである。一つ目の写真は宿泊したホテルの自室からの風景で、ホーチミンの石像や赤茶に濁った川などベトナムらしいワンショットである。二つ目の写真はカントーが誇る世界最大級の市場を撮ったもので、アジア独特の喧騒と鼻をつく様々な匂い、ノンというツゲ笠をかぶったオバちゃん達、私の好きなゴチャゴチャした泥臭い人間の世界がそこにあった。そして貧しくても食物が豊富に見られるベトナムを目の当たりにした。
アジア諸国の市場を目的もなくぶらぶら歩くこと、かつての私が大好きだった心ときめくひとときであった。