院長の部屋
COLUMN

院長の部屋 61号 故郷の祭りに想う

虫の音や風の匂いに秋を感じる今日この頃、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。皮膚科医院としては、夏の繁忙期を終えて待合室の喧騒も一段落しました。この夏は手足口病と伝染性紅斑(りんご病)の患者さんがとても多く、同じ皮膚病でもさまざまなバリエーションがあり、第一線の皮膚科医として我々のほうがとても貴重な経験をさせていただきました。これから4月くらいまでは待合室も比較的穏やかな雰囲気となりますので、待合室から望む海陽多目的広場越しに秋・冬の三河湾を眺めながらのんびりとお待ちいただければと思います。オッと!夜は真っ暗で車のライトくらいしか見えませんけどね。

さて今年も私の故郷であり、当院のある大塚町の西に隣接する三谷(みや)に約300年前から脈々と伝わる三谷祭が今年も10月22日、23日に執り行われました。このお祭は元禄九年(1696年)八月の或る夜、三谷村の庄屋“武内佐左衛門"が「この郷の産子神である八剱大明神が、村の東辺の若宮八幡(若宮神社)へ渡御なされた。」という不思議な夢を見たことから始まりました。

三谷祭を簡単に説明すると試楽祭(宵祭り、現在は土曜日)に「東区の神船若宮丸(応仁天皇)が八劔(やつるぎ)神社に赴き、日本武尊(やまとたけるのみこと)に東宮に遊びに来るよう挨拶に行き、神幸祭(本祭、現在は日曜日)に「前日応仁天皇から誘いを受けた日本武尊が快諾してお客に行く」というものです。

クライマックスの「海中渡御(かいちゅうとぎょ)」は、昭和三十五年の祭礼を最後にいったん中止されましたが、山車の海中曳き入れを復活する声が高くなり、平成8年「創始三百年祭」で復活の徒につきました。「海中渡御」は各区の山車が男衆約200人ずつに曳かれ、上区の「剣の山車」を皮切りに西区の「恵比寿の山車」、北区「三蓋傘の山車」、中区の「花山車」と絢爛豪華な4台の山車が号砲とともに海の中へ入ります。そして沖合の浅場を約400メートルにわたって静かに進み、15分ほどで海から上がります。また6つの区が八剱神社と若宮神社でそれぞれ神事や踊りを奉納する蒲郡市無形民芸文化財に指定されている蒲郡の誇る日本でも珍しいお祭です。

私は地元を約20年ほど離れていていましたが、10年前に帰郷してから中区の山車を引いて海に入っています。今年は雨が心配されましたが、海中渡御の時間帯には青空となり気温も高くなって海に浸かっていても寒さを感じませんでした。毎年、この海中渡御を無事に終えることができると、この1年健康に過ごすことができたことへの感謝の気持ちがこみ上げてきます。

かつて私が小学生だった頃、1年生から6年生までの6年間ずっと中区の子踊りに踊り子として参加していました。日曜日の夜、八劔神社での踊りの奉納を「晩の宮」といって雰囲気は最高潮に達します。「晩の宮」を踊り終えて本殿に参拝する時には涙するものもいるくらい、三谷の祭男はこの祭に人生をかけています。当時、私も踊り子として「晩の宮」を踊り終えた時には、子供心ながらに何とも言えぬ充実感を感じたものでした。

子踊りを6年続け踊り子を卒業する際に、子踊りの師匠が愛用していたご自分の横笛を私に託していただきました。本当はそのいただいた横笛を吹いて私が三谷祭にずっと参加することを師匠は期待されていたのだと思いますが、医師としての道のりを歩み20年も地元を離れてしまい、横笛は今も私の元で静かに思い出の品として眠っています。そして部屋の片隅に飾られている師匠の横笛を見るたびに、35年~40年前の踊り子だった自分の姿が今も鮮やかに蘇ってきます。

皆さんも故郷の祭りが一番ですよね。これからも皆さんの愛する故郷の祭りがずっと続きますように。

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